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アメリカにとって最大の危機は何か。それは、戦争でもなければ テロでもないのです。
(人が死ぬことではない)USドルというお金が、紙切れになることなのです。ですからドルを防衛するためであれば手段を選びません。
これは、2000年欧州連合(EU)でユーロが、本格的にハードカレンシーとして流通を始めたころの話しです。EUでドイツと並ぶ中心国家であるフランスのシラク大統領が、イラクのサダムフセインと会談をしました。
「原油をユーロで決済できないだろうか。」
当時はまだユーロの信用も低く1ユーロ1ドルに満たない状況でした。原油は、「経済の米」でありドル支配を支えている商品であります。(現在1ユーロ1.38ドル)
その原油がユーロで取引されればシラク大統領にとってこんなすばらしいことはないでしょう。ユーロの価値は上がるし すべての面で大変おいしい(優しい国際経済①参照)わけです。
サダムフセインも原油を売ったお金でイラクに無いものをいろいろ買わなくてはなりません。そこでシラク大統領は、フセインをフランスに招待しユーロ市場にもドル市場に負けないくらいたくさんのものがあると紹介しました。
それまで世界の共通認識としてドルで貿易の決済をしていたサダムフセインは、湾岸戦争の恨み(ほぼ間違いなく)もあり「明日からイラクの原油は、ユーロでしか売らないと宣言(2000年11月)し 実際にドルで売るのを止めユーロで原油を売り始めました。」
これは、ドルとアメリカへ対する危険な挑戦です。
かねてよりアメリカを良く思っていない国であるイラン、北朝鮮、ベネズエラも貿易の決済はユーロでしかやらないと追随しました。
するとOPEC(アラブ石油輸出国機構)の国々が次々にユーロを扱う動きをしてきたのです。このことはさすがにアメリカもショック(たぶん)だったと思われます。
イラクだけで1日300万バーレル=250億円の原油を産出しています。OPEC全体だとその10倍3000万バーレル 1日2500億円で 年間だと少なく見ても50兆円の入るはずの不労所得がアメリカに入らなくなるわけです。
このことはアメリカを失意のどん底に陥れるとともにアメリカの意思に火をつけました。世界の国が次々に決済をドルからユーロに変えていくようなことがあれば ドル基軸体制が崩壊してしまう。それは、巨大債務国アメリカが、借金を返せなくなり いつの時代も覇権国家がたどった道「ローマ帝国の崩壊」を意味します。
これは、絶対に阻止しなければならない。
アメリカの支配層や上層部は、大変な騒ぎになっていたと思われます。
但しこのような事実は、日本の国民同様 アメリカ国民も一切知らないことです。真相は口が裂けてもいえません。国民にはアメリカという国は、資本主義を開放し世界の安全を守っているスーパーマンのような存在だと思わせなければなりません。それが政治というものなのでしょう。
そして2001年民主党(穏健派)のクリントンに代わり共和党(タカ派)のブッシュ政権がアメリカ(権力者)の意思として誕生しました。新政権の最初の閣僚会議は、「どのようにしてサダムフセインを国際社会から追放するか」(まちがいない)であったわけです。つづく
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洋服好きです。作るのも売るのも着るのも大好きです。
週に3~4回AM6:00から60分のジョギングをしています。
会社のスタッフとフットサルをやっています。楽しいですね。
また週に3~4冊の本を読みます。国際経済、マーケ、人生、歴史、などノンフィクションが好みです。